高校1年生の後輩、美咲は中学時代に所属していた陸上部の先輩、健太郎くんに恋心を抱いていた。中学時代はほとんど話すことがなかったけれど、彼女は健太郎くんが自分のことを見てくれていると感じていた。
ある日、美咲は健太郎くんが通う大学の陸上競技大会を見に行った。健太郎くんが走っている姿を見るたびに、美咲の胸は高鳴り、彼女は思わず彼に近づいてしまった。
「健太郎くん、あの、私、実は…」
美咲は恥ずかしくて言葉が詰まった。健太郎くんは彼女の表情を見て、何かを察したのか、優しく微笑んだ。
「美咲、俺も中学の頃から君には興味があったんだ。でも、君が1年生になってから、どうしても距離を置いてしまったんだ。」
彼の言葉に、美咲は胸がいっぱいになった。健太郎くんも自分のことを見てくれていたんだ。その気持ちを知って、美咲は勇気を出して健太郎くんに告白した。
「健太郎くん、私、あなたのことが好きです。付き合ってください。」
健太郎くんは美咲の手を取り、優しく握った。そして、彼女の顔を見つめながら、そっと言葉を返した。
「美咲、僕も君のことが好きだよ。一緒にいたい。」
美咲は嬉しさのあまり、健太郎くんに飛びついた。彼女たちの恋は、陸上競技場で始まった。二人はお互いに支えあい、励まし合い、共に走っていくことを誓った。
美咲と健太郎は、学校や部活での交流を深めながら、お互いに愛を育んでいた。しかし、美咲の周りには健太郎以外の男子からもアプローチがあった。
ある日、美咲は健太郎からの電話に出られず、折り返し電話をかけると、別の男性の声が返ってきた。それは、美咲が陸上部の合同練習で知り合った、同じ高校の男子・大翔だった。
大翔は、美咲に好意を抱いており、健太郎との関係を知っても二股をかけることを躊躇わなかった。美咲は驚愕し、大翔に対しては冷静に断りを入れたが、自分の心の中にも混乱が走り始めた。
健太郎にはこのことを打ち明けることができず、美咲は悩んでいた。大翔からもしつこく連絡が来るようになり、美咲はますます追い詰められていった。
そして、ある日、健太郎が部活の後輩に呼び出され、別の女性と手を繋いで歩いているところを、美咲に目撃されてしまった。
ショックを受けた美咲は、健太郎に直接話すこともできず、陸上部からも離れ、自分自身を見つめ直す時間を取ることにした。
彼女は、自分が健太郎に求めていたものが何だったのか、自分自身に向き合って考え、時間をかけて傷を癒していった。それから、美咲は自分自身の価値観を確立し、自分にとって本当に大切なものを見つけた。
結局、健太郎と美咲は元の関係に戻ることはなかった。しかし、美咲は健太郎から得た経験や思い出を大切にし、自分自身を成長させていくことができた。そして、新たな出会いもあった美咲は、今度は自分が本当に幸せになれるような恋を追求することを決めたのだった。